ヨルダン地区の概要

ヨルダン地区は中心部の西側にあり、東はプリンセン運河(Prinsengracht)、西はレインバーン運河(Lijnbaansgracht)、北はブラウワース運河(Brouwersgracht)、南はライツェ運河(Leidsegracht)に囲まれています。1612年に始まった市域拡張で、運河の環状帯と同時に生まれました。ただし、隣の大運河沿いに裕福な商人が暮らしたのに対し、ヨルダンは労働者、職人、難民のために、より質素な家で区画されました。

通りや運河は、かつての牧草地の排水溝の線をなぞっているため、プリンセン運河に対して斜めに走っています。花や植物にちなんだ名前も多く、ブルームフラハト(Bloemgracht)、ローゼン運河(Rozengracht)、ラウリール運河(Lauriergracht)、エグランティアース運河(Egelantiersgracht)、アニェリエルス通り(Anjeliersstraat)などがあります。19世紀に埋め立てられて通りになった運河もあり、ウェステル通り(Westerstraat)、リンデン運河(Lindengracht)、ローゼン運河がそうです。

長らく人口過密の庶民の街だったヨルダンは、1970年代から再生が進みました。いまも住宅街ですので、夜は声を落とし、写真のために橋や自転車道をふさがないようにしましょう。

歩いてほしい運河と通り

17世紀の家が並ぶエグランティアース運河

地区の中心は、ローゼン運河とブラウワース運河のあいだにあります。数本の通りを歩けば、雰囲気がつかめます。

  • エグランティアース運河:もっとも細くて静かな運河で、低い橋と切妻屋根の家並みが続きます。ブルームフラハトとの間をつなぐ細い横道「ドワールストラーテン(dwarsstraten)」には、ブティック、ギャラリー、カフェが集まっています。
  • ブルームフラハト:階段状の切妻をもつ古い家が並ぶ運河で、地区でもっとも優雅な運河としてよく紹介されます。
  • ブラウワース運河:ヨルダンの北の境で、醸造所の古い倉庫が住居に改装され、住居用のハウスボートが浮かんでいます。
  • ウェステル通りとリンデン運河:かつての運河が広い通りになったところで、月曜と土曜の市場が開かれます。
  • ジョニー・ヨルダン広場(Johnny Jordaanplein):プリンセン運河のほとり、エランツ運河(Elandsgracht)の角にある小さな広場で、地区ゆかりの大衆歌手たちの像が立っています。

東にあるプリンセン運河は、世界遺産に登録されている運河の環状帯の一部です。南東のプリンセン運河とシンゲル運河のあいだにあるナイン・ストリーツのブティックまで足を延ばすのもおすすめです。

ヨルダンの隠れた中庭、ホフィエ

ヨルダンには、高齢者や貧しい人々を住まわせるために、中庭を囲んで建てられた旧救貧院「ホフィエ(hofje)」がいくつかあります。目立たない扉の奥に、小さな家に囲まれた静かな中庭が現れます。エグランティアース運河沿いにあるシント・アンドリース・ホフィエ(Sint-Andrieshofje)は17世紀初めに創設され、青いタイルを貼った通路が目を引きます。カルトイザース通り(Karthuizersstraat)のカルトイザーホフ(Karthuizerhof)も、その一例です。

これらの中庭には人が住んでいます。入場は無料ですが、扉が開いているときに限られ、たいていは平日の日中です。小声で話し、住民や家の中を撮影せず、少人数で訪れてください。

ヨルダンの市場

ノールデルマルクトに立つ北教会

月曜の朝か土曜に訪れる最大の理由が、市場です。北教会(Noorderkerk)の周りに、すぐ近くで市場が並んでいます。

市場 場所 曜日と時間 売っているもの
ノールデルマルクト(月曜) ノールデルマルクト 月曜 9時〜14時 蚤の市、古着、本、布地、骨董品
ウェステル通りの市場 ウェステル通り 月曜 9時〜13時 212の出店、おもに布地と衣料品
ノールデルマルクト(土曜) ノールデルマルクト 土曜 9時〜16時 食料品、花と植物、工芸品
リンデン市場(Lindenmarkt) リンデン運河 土曜 9時〜16時 230以上の出店。青果、魚、チーズ、花

営業時間は、公式の市場サイトとI amsterdamで2026年10月に確認したものです。

ノールデルマルクトでは1623年から市が開かれています。月曜は、ノールデルマルクトの蚤の市とウェステル通りの布地市場が隣り合っています。混雑する前に出店を楽しめるよう、11時前に行くのがおすすめです。土曜は、ノールデルマルクトの市場とリンデン市場がほぼつながり、一週間でいちばんにぎわう午前中になります。

地区の見学先

ヨルダンには博物館は多くありませんが、アムステルダムでもっとも人気の2か所が、東の縁のウェステルマルクト(Westermarkt)にあります。

  • アンネ・フランクの家:フランク一家の隠れ家で、プリンセン運河263番地にあります。チケットは公式サイトでのオンライン販売のみで、毎週火曜に、6週間後の見学分が発売されます。
  • 西教会(Westerkerk):レンブラントが埋葬されたプロテスタントの教会で、アンネ・フランクの家の隣にあります。平日の11時〜15時は入場無料です。塔には、現在のところ上れません。
  • 北教会(Noorderkerk):ノールデルマルクトにある教会で、ヘンドリック・デ・カイザーの設計案に基づき、1620年から1623年に建てられました。9月から5月にかけて、市場の開かれる月曜と土曜の10時30分〜12時30分に無料で開放されます。
  • ハウスボート博物館(Woonbootmuseum):プリンセン運河296 Kに係留されているヘンドリカ・マリア号は、1914年に建造され、1967年に住居に改造されました。アムステルダムの水上生活を見ることができます。
見学先 住所 営業時間 大人料金
アンネ・フランクの家 Westermarkt 20 毎日 9時〜22時 16.50ユーロ(オンラインのみ)
西教会 Prinsengracht 279 月曜〜金曜 11時〜15時(7〜8月は土曜も) 無料
北教会 Noordermarkt 48 月曜と土曜 10時30分〜12時30分(9月〜5月) 無料
ハウスボート博物館 Prinsengracht 296 K 10時〜17時(7月〜9月は10時〜20時) 9.50ユーロ(オンラインで10時〜12時は8ユーロ)

料金は2026年10月時点のものです。ハウスボート博物館は、5〜12歳が5ユーロで、5歳未満とI amsterdam City Cardの所持者は無料です。休館日は1月1日、4月27日、8月の第1土曜日、12月25日です。

食事と一杯のおすすめ

ヨルダンは、使い込まれた壁や暗い色の木の内装をもつ「ブラウンカフェ(bruine cafés)」の地区です。いつ行ってもビールやコーヒーを楽しめます。運河沿いに小さなテラスのある店も多く、エグランティアース運河沿いのカフェ「ト・スマレ('t Smalle)」が代表的です。もっとも古い店については、住所と創業年とともに、アムステルダムのブラウンカフェ・ガイドで紹介しています。

甘いものでひと休みなら、ノールデルマルクトの角にあるカフェ「ウィンケル43(Winkel 43)」が、ホイップクリームを添えたアップルパイで有名です。市場の日は行列が長くなります。土曜のノールデルマルクトとリンデン運河の屋台では、魚、オランダのチーズ、果物など、歩きながらつまめるものも見つかります。

しっかり食事をするなら、ウェステル通り、ブルームフラハトとエグランティアース運河のあいだの細い横道、ブラウワース運河のすぐ北のハールレンメル通り(Haarlemmerstraat)が、もっとも店が集まる通りです。夜は、とくに週末は予約してください。店内は小さめです。

ヨルダンを半日で歩く散策コース

ヨルダンの北の境、ブラウワース運河

約3キロのコースで、休憩込みで2〜3時間かかります。アンネ・フランクの家の見学時間は含みません。

  1. ウェステルマルクト、西教会とアンネ・フランクの家の前からスタートします。チケットをお持ちなら、散策の最初に入場枠を合わせてください。
  2. プリンセン運河沿いを北へ進み、ブルームフラハトから地区に入ります。
  3. 細い横道を通ってエグランティアース運河まで進み、扉が開いていれば、シント・アンドリース・ホフィエを覗いてみましょう。
  4. ウェステル通りとノールデルマルクトへ。月曜と土曜は市場、アップルパイはいつでもあります。
  5. リンデン運河を渡ってブラウワース運河へ出て、運河沿いに東へ戻ります。
  6. ハールレンメル通りで締めくくるか、徒歩10分の中央駅まで続けて歩きます。

アムステルダムで1日しか過ごせない方は、この散策をアムステルダム1日モデルコースに組み込めます。

ヨルダンへのアクセス

ヨルダンへは、アムステルダム中央駅から歩いて行けます。ブラウワース運河までは約10分、ウェステルマルクトまでは20分ほどです。ライドハイス通り(Raadhuisstraat)とローゼン運河の工事のため、ウェステルマルクト停留所に停まるトラムはありません。ダム広場(Dam)のトラム停留所で降りると、アンネ・フランクの家まで徒歩10分です。最寄りの地下鉄駅はロキン(Rokin)駅(52番線)です。チケットと路線の詳細は、アムステルダムの交通ガイドで説明しています。

ヨルダンと中心部のほかのエリアを行き来するには、自転車がいちばん便利です。ただし通りは狭く、交通量が多いので、自転車道を走り、橋の真ん中では止まらないでください。地区内またはその近くに泊まるなら、アムステルダムの宿泊ガイドをご覧ください。

さらに詳しく

ヨルダンは、運河の環状帯や、徒歩10分のダム広場と簡単に組み合わせられます。毎日開かれる大きな市場のある、もうひとつのにぎやかな地区については、デ・パイプ地区のガイドをご覧ください。お金をかけずに散策を続けたい方は、アムステルダムの無料アクティビティに、中心部のそのほかのアイデアを載せています。